大石学・監修 東京学芸大学近世史研究会・編
体裁・A5判・上製本カバー装・448頁
定価(本体7,800円+税)
近世武蔵国多摩郡下井草村(現東京都杉並区)の名主を勤めた井口喜容家が所蔵する井口喜容家所蔵文書の分析を中心とした共同研究の成果である。地域史研究の視角・方法を基礎に、近世における地域社会の歴史展開の特質を、国家権力とかかわらせて解明する。具体的には、(1)下井草村の歴史展開の実態と特質、(2)幕府の江戸周辺支配の実態と特質、(3)知行主である旗本高家今川氏の支配の実態と特質の三つの課題が追究される。本研究により、下井草村と高家今川氏と幕府の関係、すなわち日本近世における地域と国家のあり方が地域史料から解明されることになる。
[目次]
はしがき(大石学)
序章本書の課題・対象と構成(大石学)
第1章今川知行所四か村の概観(冨澤智宏)
第2章一六世紀における今川氏の動向について(柳沢利沙)
第3章今川氏の知行所支配(福井那佳子)
第4章今川氏の屋敷地とその変遷(山端穂)
第5章下井草村と鷹場支配(竹村誠)
第6章江戸周辺における幕府代官支配と下井草村(佐藤宏之)
第7章下井草村と寺院(工藤航平)
第8章下井草村の組の機能(根本俊)
第9章近世後期における年貢負担(橋本光晴)
第10章下井草村の村政と今川氏の対応(野本禎司)
第11章高家今川氏における旗本知行権の解体過程(三野行徳)