葛飾区郷土と天文の博物館 編
上製本・カバー装 A5版・395頁 定価(本体5800円+税)
関東平野の最南端に位置する東京低地の微高地は、古代から住居空間として
利用されてきたことが、最近の発掘調査等の報告からも確認できる。本書は、東京
低地に存在したと推定される古代大嶋郷について、西海道戸籍・美濃戸籍とともに
現存する古代戸籍の一つ正倉院文書の中の「養老五年下総国葛飾郡大嶋郷戸籍」や
発掘調査の成果、文献史料ももとに、アプローチし、現時点における大嶋郷に関す
る研究成果を総括し、さらなる大嶋郷研究の発展に寄与することを意図する。
(内容)序章
一 大嶋郷戸籍の解明に向けてーシンポジウムの開催と
本書の刊行についてー (熊野正也)
二 大嶋郷の位置と東京低地 (谷口 榮)
三 大嶋郷の故地における研究略史 (鈴木直人)
一章 大嶋郷とその周辺
一 大嶋郷と村落 (関 和彦)
二 大嶋郷故地の調査 (谷口 榮)
三 下総国府と大嶋郷 (駒見和夫)
四 武蔵国豊島郡と大嶋郷―郡衙造営と周辺集落の展開―(中島広顕)
五 最近の調査からー正福寺遺跡発見の土師器焼成遺構
と大嶋郷における土器の製作― (永越信吾)
二章 大嶋郷と古代戸籍
一 大嶋郷の人々―個人別データベースの分析による
地域秩序の再検討― (田中禎昭)
二 大嶋郷戸籍・個人データ表 (田中禎昭)
三 古代戸籍研究と大嶋郷戸籍 (荒井秀規)
四 復原「養老五年下総国葛飾郡大嶋郷戸籍」稿 (荒井秀規)
三章 シンポジウム「古代大嶋郷と戸籍」の記録
一 シンポジウムの開催 シンポジウム実行委員会
二 全体会議の記録 シンポジウム実行委員会
三 シンポジウム「古代大嶋郷と戸籍」に参加して (木下 良)
四 これからの古代大嶋郷研究 (服部敬史)
終章
一 東京低地の歴史を探る (谷口 榮)