A5判・上製本・カバー装 256頁
定価(本体6,000円+税)ISBN978-4-626-01828-1
本書は丹羽家文書に含まれる二條城御門番組与力の勤務記録と御門番組および与力の由緒記録である。丹羽家文書は御門番組与力丹羽氏の子孫であり、現在の御当主である氏昭氏が所蔵される二條城守衛関係の実働部隊御門番組関係の史料群である。京都所司代や京都町奉行所の与力・同心ではなく、二條城守衛の与力・同心の記録という点では新出の史料群であり、「発見」である。江戸の北町・南町、大坂・京都の東町・西町、南都奉行などの与力・同心の記録はそれぞれ翻刻刊行されている。それに対し、たとえば京都所司代、禁裏付、また大坂城内の蔵奉行や鉄炮奉行などの奉行、大坂船手奉行などにも与力・同心が配属されていたが、その与力・同心の記録が十分に発掘・紹介されているとはいえない。その意味では、丹羽氏所蔵の二條城御門番組与力の史料は二條城警衛態勢を解明する糸口として、また徳川政権が京都を中心にした畿内西国支配体制の構築経過を解明する糸口として、貴重な発見である。